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Intervew-03 (インタビュ−03) : Contents


問:14質問者-(梨本)
最後の質問項目になります。北前屋のネライについてお聞きします。「私たちの目指したいこと」というペ−ジがあって、箇条書きに三項目の文章がのせてあります。

一番目の、「北前船のエネルギ−とそのパワ−を学び、伝え、そこから自分達も元気になることをめざします。」これについて、もう少し説明してもらえますか?

答:返答者-(KAZU)

はいわかりました。あの〜最初に言っておきたいのですが、誤解してもらっては困るのですよ。北前船の歴史や文化を勉強して、そして理解して、それを次の世代に伝えることを目的としているんじゃないんですよ。

あるいは、巨額の富をもたらした北前船の商売の方法を研究して、自分たちも見習って自分たちの商売に、そのノウハウを利用しようとしているのでもないんです。また、北前船を観光の資源と考えて、観光客をいかに増やすかを考えてみようという主旨でもありません。

北前船の最大の特徴は、今までにないパタ−ン、商品を買う、運ぶ、売るの三要素をセットにした商業形態をとったことです。そしてゆるぎないチャレンジ精神で企業活動を行ない、あの厳しい封建社会のもとで庶民たちに新しい視野を開かせたことです。

150年ほど前に、北前船という歴史文化がいつも見ている海や町に実際あったわけです。その歴史事実に
親近感を持って見れば、何かしら感じるものがあるはずです。



問15:梨本
そうですね、北前船はもっと自分と距離が離れた存在と思っていましたが、よく知れば親しみを持つようになりますね。知らなければ興味も出てきません。それで、知るようになるとどうして元気になるのでしょうか?

答:KAZU
よく私たち三人で話し合うのですが、10年前と比較するとずいぶんと商売が変わってしまったと言うんです。もちろん良くない方にです。つまりやりにくくなった、厳しくなったということですね。そんな中、わたしたちが持っている対抗手段・技術というのは「もっと頑張って働くこと」です。

しかし、「もっと、もっと頑張って働くことに徹することが、この厳しい時期を解決するのにベストな解決方法だろうか?」を自問自答すべきと思った。鎖国の時代に、パイオニア精神を育てた
北前船のパワ−を知ることは、私たちが考える時間を持つことにつながります。まてまて!まだ自分たちに見えていない事があるのではないかと、考える時間をくれるキッカケを与えてくれます。

考えれば必ず解決策のヒントが生まれます。それは自分たちが変わる事の出来るヒントです。変わる事が出来るという希望が持てれば元気になれます。北前船を知ることは、元気の「素」が生まれてくるのでは?と思っているんです。



問16:梨本
なるほどなるほど、発想の転換ということですね?

答:KAZU

う〜ん、あのね。よく講演会なんかで講師に謝辞ということで、「いまおっしゃった事は・・・・・ということですね。」と短くまとめてしまう人がいます。あれは講師にとても失礼なことです。1時間半も一生懸命話して、ようやく結論を述べてヤレヤレと思っているところに、たいして分かっていない者に簡単にまとめられてしまえば、カチンとくると思いますよ。

転換というのは方向転換とか政策転換のてんかん、うつり変わるということです。そうじゃなく話はもっと深刻なんですね、新しい発想を想いつくと言った方がいい、希望が持てるビジョンのことを言っているのです。



問17:梨本
すみません、でしゃばり過ぎました。とてもよくわかりました。
では次に二番目の、「郷土が育んだ北前文化に誇りと愛情を持ち、このKITAMAEブランドをかたちに変えて次の進歩をめざします。」 について説明を願います。 


答:KAZU

私たちがまだ小学生の頃、日本海側のことを裏日本と呼ばれていました。私はこのことばが嫌でしょうがなかった。多感なころでしたから、自分は裏側の存在で、日の当たらない所にすんでいるのかと下を向いたものでした。コンプレックスを持っていたのでしょうね。テレビとか映画なんかも、冬の日本海ばかり映して暗いイメ−ジをあまりにも強調しすぎました。

私たちの年齢になれば、日本海側に郷土があってもその良さはよく分かるのですが、若い人たちはそうはいきません。以前ほどでもないでしょうが、やはり裏日本でしかない。それじゃダメですよね。あまりにも軽く見すぎているように思えます。


郷土を好きになり、誇れるようにならないと、次の一歩が出てこないと思います。文化という言葉はだれでも好きだと思います。北前船の残した文化が自分たちを変える素材になるような気がするんです。

それから、北前船という名は、加賀100万石と同じくらいに、詳しくは知らないけれど名前だけは知っている、という具合に知れ渡っていると思っています。そしてこのKITAMAEという響きはとても感じが良いんですね。海の汐風、日本海の荒海、一航海一千両というイメ−ジがすぐに連想され、演歌の世界にピッタリだと思うんです。これは日本海側の財産です、これを利用しない手はないでしょう。

KITAMAEブランドをかたちに変えるというのは、北前船のネ−ムバリュ−を利用して、今風に販売戦略を練ろうという試みです。



問18:梨本
なるほど、KITAMAEをブランド化するというのは良いアイデアだと思いますね。
では、最後の三番目の、「ネットをつないで、人が動くこと、人と人とが会ってコミュニケ−ションすることをめざします。」について説明を願います。


答:KAZU

そもそもインタ−ネットというのは情報をやり取りする単なるツ−ルです。そこにある目的は、確かな情報を大量に素早く動かすことで、商品を上手く流通させたり人と人が効率よく動くことが目的とされるべきものです。 情報の伝達をなかだちする、新聞・ラジオ・テレビなどのメデイアと同じように、インタ−ネットもその目的は物と人が動くことを目的としていると考えています。

最近、インタ−ネットを利用した犯罪が多数あり、インタ−ネットと聞けば良いイメ−ジがしてこないのが現実ですね。大変便利で有りがたい通信手段ですが、この「確かな」という部分が不透明なため、いろいろな問題が生じているようです。

ネットをつなぐには、この「確かな」を確保しないと、ネットは広がっていきません。北前船が日本海沿岸の町々をつないだように、私たちも「頑張って働いている者同士」、つなぎ合えたらいいという理想を持っています。各々の地でしっかりと根をはっている人たちですから、こんな「確かな」ことはありません。

ただし、そういう方々と相互リンクをはったり、時々メ−ルを出して「いかがお過ごしですか?」という連絡をし合ったり、各々の掲示板にメッセ−ジを書き込むだけ、そんなネットワ−クを希望しているのではありません。


       
問19:梨本
仲良しネットワ−クでは無いとなると、それはどのようなネットワ−クなのでしょうか?

答:KAZU
地ものにまさるものはありません。青森りんご、信州野沢菜、秋田きりたんぽなど、その地の特産物は他では味わえないものです。どこが違うのかよくわかりませんが、違うことだけはハッキリと分かります。そういう各国の産物を集めて、各々のサイトにそうしたペ−ジを設置する。デパ−トの地下にある暖簾街のように、美味しいものがいっぱいあるスペ−スを設ける。

北前屋が、青森のりんごを扱っている青森商店のりんごを紹介する、その代わり北前屋の商品も紹介してもらう。北前屋は、りんごを仕入れてお客様に売るのではなく、お客様が北前屋のサイトから直接青森商店にアクセスして、青森商店でお買い物をするというわけです。


       
問20:梨本
楽天のようポ−タルサイトになるわけですか?登録料や紹介料はどうなるのですか?

答:KAZU
いいえ、そんなポ−タルサイトは目指していません。自分のことで精一杯ですから。もちろん無料です。そんなものは取りません。そんな5%前後の手数料を期待するのではなく、北前屋の売上を期待した方がいいのです。

でも、一つ問題があります。それは、青森商店とお客様との間に何らかの
トラブルがあった場合、北前屋は何も知らない事になります。お客様側からすれば、紹介しているのだから当然クレ−ムを受け付けてくれると判断します。しかし、実際は知らないのだから、何も出来ないというケ−スが出てきます。

       
問21:梨本
いそうですね、紹介した以上そのような問い合わせがくる可能性は大きいですね。

答:KAZU
お互いの信頼関係があればクリアできる問題だと思いますが、良い関係が後々気まずい思いをする原因になりかねないですね。とにかく、商品をお互いが売ることを基本としてネット作りをしていくわけです。仲良しネットではなく、頑張ろうネットですね。

それから、もっとお互いの結びつきを強化するために、現在アフィリエイトという仕組みの導入も考えいて、問題点がないか?ただ今テストをしている最中です。

仕組みはいたって簡単、青森商店は北前屋のおかげで商品が売れたのですから、そのお礼として決められた金額をキャシュバックする、また青森商店経由で北前屋の商品が売れたら、同じように青森商店にお礼をする。その一連の取引をお互いのホ−ムペ−ジ内でしようと実験しているんです。

こうして、商品が動けばお金も動く事になります。それがある程度進めば、人と人とが会ってコミュニケ−ションする必要が生ずるでしょうし、当然人も動く事になります。 私たちはこの行動モデルをインタ−ネットというツ−ルを利用して目指そうとしているんです。

       
問22:梨本
なるほど、本来なら売ることの出来るはずがない人に、青森商店のホ−ムペ−ジが口コミという手法で間接的に売ってくれた。そして、青森商店もいくらかの報酬をもらえるし、同店も同じように恩恵が得られる。ウン!おもしろそうですね。それで、現在どれだけの人が参加しようとしているのですか?

答:KAZU

いや、まったくこれからのことなんです。ですから今回のインタビュ−を北前屋に載せさせて欲しかったわけなんです。こうした考えがサイト内どこにも述べてありませんから、良い機会でした。

そうそう、北前船を題材にどうして取り上げたのですか?を最後に答えさせてくれと言ったのは、ここにあるんです。北前船の最大の特色は、商品を買う、運ぶ、売るの企業活動をシステム化したことにあります。商社と海運業を同時に行なう仕組みを作ったことですね。今までにないパタ−ンをあえて選んで成功した。このことを見習って、自分たちも前に進み、変わらなくてはいけないと考えたからなんです。


       
梨本
いろいろな質問に答えてもらいありがとうございました。北前屋の目指したいこと、たいへんよくわかりました。私たちも、そのネットの中に是非混ぜていただきたいと思います。そのためにも、なんとかホ−ムペ−ジを立ち上げたいと改めて思いました。
今日は、本当にありがとうございました。


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